Infinity

日々の雑感をそのつど綴っていこうと思います。

蝉の羽

この写真は何。。。? 実はアブラゼミの羽脈の断面顕微鏡写真。
朝、散歩に出かけたとき、アブラゼミの羽が一枚、道端に落ちていたので拾ってきた。蝉の羽は薄くて軽いが、植物の葉脈のように羽の中を筋が幾状にも走っている。この羽脈の断面を顕微鏡で見ると中が中空のパイプとなっていた。このパイプ構造が羽の力学的強度を保たせているのかと納得。
IMG_110730アブラゼミの羽脈

羽脈の模様はどの蝉も同じようである。羽脈がパイプ状になっている理由の一つは羽の強度を保つということだが、もう一つの理由は蝉がふ化して出てくるとき、コンパクトに折り畳まれた羽は、羽脈のパイプに液が流れることで広げられていく、あたかも折り畳み傘を広げるように。だから羽脈の一部が欠損したりしていると液漏れを起こすので、羽をうまく広げることはできない。。。
IMG_110730アブラゼミの翅

蝉の大きな羽はこの狭い収納部に折りたたまれて収納されている! 『折りたためば非常にコンパクト、広げればアッと驚く大きさ』という畳み方のノウハウは、蝉の羽脈の形状をよく調べることからGetできる。。。かも知れない!?
IMG_110730アブラゼミの翅の収納部



(P.S)
今日(8/1)、朝起きたら、家人が『あらぁ~、おもてのすだれに蝉がとまっているわ~!』と言うので早速覗いてみると、ナント、クマゼミ君(クマゼミさん?)がすだれに足をかけて静かにとまっている。
IMG_110731アクマゼミ_1

透けて見えるような薄い着物の形容を『蝉の羽』というらしいが、クマゼミの透明な羽の衣は夏の風流な装いだ。
IMG_110731アクマゼミ_2
[ 2011/07/31 17:28 ] 日常雑感 | TB(0) | CM(0)

大和龍王窯陶芸教室作品展

釣り仲間のN氏が例年出展されている「第7回・大和龍王窯 北口夢石と陶芸教室作品展」(奈良市音声館)に行って来た。今日は最終日で午後3時迄ということだったが、2時40分頃滑り込みで間に合った。 灯りをテーマとした作品作りに取り組まれており、制作過程の苦労話をいろいろ聞くことができた。

<N氏とその作品>
IMG_110728N氏とその作品

<灯台灯り>
灯台をモチーフとした作品は毎年追求されている。家の壁の直角のコーナーは焼くとヒビが出やすく、その辺りに苦労したと言われていた。灯台の明かりは白色LEDを使われ、輝度が高く、いかにも灯台の灯りといった感じ。釣り仲間のK氏から実際の灯台のように「くるくる回るようにしたら面白い」とアドバイスを受けたとのこと。次回は屋根の色を変えたり、趣向を凝らした作品を狙おうと意欲を示されていた。
IMG_110728灯台灯り

<白リンゴ 灯り>
写真右側の灯り取りの穴を大きくし過ぎたと言っておられた。その穴から中の舞台裏が見えてしまうのでよくない。。。とのことだが、なかなかどうして変化があって面白いと思うが。真っ暗な中でこの作品を置くといろいろな方向に光が投影されて面白いとのことだ。
IMG_110728白リンゴ灯り

<白マット 灯り>
ビールの空き缶に粘土を巻きつけて円柱を作り、光りの取り出し部をカットしたとのこと。下部に自重が掛かり、焼くときにその形状を保持するのが難しいとのこと。ノウハウがいるのだろう。白マットの外側の目地模様は粘土に巻きつけた濡れ布の織り目が転写されたもの。「布切れをいろいろ変えると面白い模様になりますね」とはN氏の弁。
IMG_110728白マット灯り

<青磁 灯り>
「陶器からでる幽玄な灯りを追求しました」といわれていた。内壁で乱反射されて出てきた灯りは暗闇で見ると面白いだろうな。小生には2枚貝がゆっくり口をあけ、その奥にある或るもの(真珠か玉手箱?)から光が放射されているようなイメージに見えた。
IMG_110728青磁灯り

<北口夢石先生の作品>
IMG_110728北口夢石作品
[ 2011/07/29 18:04 ] 日常雑感 | TB(0) | CM(0)

ドクダミの顕微鏡写真

なにやら怪しげな蝶が舞っているような写真だが、これはドクダミの葉柄の顕微鏡断面写真。翅(はね)の模様のように見えるところは、水分や養分が通る道管や師管の束(維管束)。先端部の赤いところはアントシアニンという色素が発色。
昔、渓流に行っていた頃、薄暗い深い茂みに分け入って葉っぱのふちや茎に赤い筋が走っているドクダミを見かけたとき、妖艶というか、なにか怪しい雰囲気を感じたものだ。。。この色のコントラストで“この葉は喰うな”という動物の食害に対抗しているのだろうか?(←まさか)
IMG_110725ドクダミ葉柄断面_1

葉の断面を見た。柵状組織らしいものは見当たらず、葉緑体を抱えた葉肉細胞がランダムに密集している。
IMG_110725ドクダミ葉の断面_1

葉をスライドガラスで押し潰したところ、簡単に押し潰せた。そこで押し潰した葉の表を顕微鏡で覗くと沢山の気孔が見えた。以前、スンプ法によるドクダミの気孔を写真に収めたが、今回は現物の実写。緑の部分は葉肉細胞。
IMG_110725ドクダミ気孔_1
さらに倍率を上げて覗くと、口をあけた気孔がハッキリと見える。孔辺細胞にある葉緑体も見える。
IMG_110726ドクダミ気孔7828

押し潰した葉の端を見たところ、ナント葉肉細胞がバラバラになって葉から離脱しているではないか。これほど派手に葉肉細胞が葉から離脱するのは初めてみた。ドクダミの葉はどことなくカサカサとして、千切りやすい感触を持っていたが、葉肉細胞が簡単にバラバラになるから千切りやすい。。。これで納得!?
シカシ、なぜバラバラになりやすいのか? 考えると限(きり)がないのでこの辺でStopするが、千切れても葉が枯れにくいということだろうか?
IMG_110726ドクダミ葉肉細胞7834

バラバラになった葉肉細胞の一つを拡大してみたら。。。細胞内に抱えられた沢山の葉緑体が見える。また、細胞核も見える。この細胞の中で光合成が進行。液胞の中にドクダミ特有の匂いの元(アルデヒド類)や抗菌性の精油が含まれているのだろう。ドクダミは地下茎で繁殖していくが、抗菌性の精油は根腐れにも効果があると考えられる。いかがなものだろうか。
IMG_110726ドクダミ葉肉細胞7830

一幅の絵画のようにも見えるが、うねっているのは葉脈の道管。ラセン模様というよりワッカ状の模様のような。
IMG_110725ドクダミ葉脈(道管)_1
IMG_110725ドクダミ葉肉細胞(葉を押し潰すとバラバラに)_2


[ 2011/07/26 15:23 ] 日常雑感 | TB(0) | CM(0)

ノアザミ

近場の広場にノアザミ(野薊)が咲いていた。綺麗な赤紫色の花を咲かせている。茎や葉には鋭い棘がいっぱい生えていて、迂闊に触ると痛い。花は美しいが、鋭い刺があるので驚く=あざむがアザミという名の由来といわれるが、イタイ!イタイ!と痛い思いをさせられながら2輪ほど茎をへし折って持ち帰りペットボトルに活けておいた。
IMG_110723ノアザミ_1

ノアザミの花は筒状になっている花の集合体とのこと。自家受粉を避けるため、先に雄花が咲いて花粉をだし、それが終わる頃に雌花が咲いて他の花の花粉を受粉するというシステムをとっているらしい。下の写真は雄花が満開といったところ。
IMG_110723ノアザミ_3

虫媒花であるノアザミの子孫繁栄戦略はなかなか巧妙で面白い。花粉は普段外に出ておらず、昆虫が蜜を求めて飛んできたとき、雄花の上をガサガサと動き回るが、その刺激で花粉を放出し確実に虫に付着させる。つまり、花粉を無駄使いしないという知恵(?)を持っている。YouTubeに雄花をチョンチョンと触って刺激したときの変化の様子が公開されているが、確かに刺激を受けて花粉が染みだしている。
ところで、下の写真は特に雄花に刺激を与えたつもりはないのだが、ペットボトルに活けて2,3時間後に見たら2輪のうちの1輪が花粉を噴き出していた。。。!? 何らかの刺激を与えたのだろうか、それとも環境が変わったからビックリしたのかな?
IMG_110723ノアザミ_4

雄花の先端部を顕微鏡で観察した。ワニの口のようなところから花粉がでてくるのだろう。。。雄花の表面の棘々に花粉が付着している。
IMG_110723ノアザミ雄しべの先端_2

倍率を上げて花粉をみると、棘をたくさん突き出した金平糖のような形をしている。花粉は透明に近い。
IMG_110723ノアザミ花粉_1

受粉が結実すると種ができる。この種には綿毛がいっぱい生えている。
IMG_110723ノアザミ綿毛_1

綿毛を拡大してみると、「タンポポの綿毛のスタイル」ともまた異なる。ナント、鳥の羽根のように一本の綿毛から多数の側毛が出ているではないか! これはふぁふぁと風に乗って遠くへ運ばれやすいわけだ。長い長い進化の過程でこのような形態を手に入れたのだろう。。。全く感心してしまう。
IMG_110723ノアザミ綿毛_3

[ 2011/07/24 22:36 ] 日常雑感 | TB(0) | CM(0)

カボチャとキュウリ

近場の菜園にカボチャの花が咲き始めた。そこでカボチャの茎と葉っぱを一枚戴き、顕微鏡でいろいろ観察してみた。カボチャと同じツル性で花も同じようなキュウリ(←これは我が家で栽培)もついでに見てみた。

(1)カボチャ ----------------------------------
■カボチャの茎の横断面
水分や栄養分の通り道である維管束が茎の周囲に沿って規則正しく並んでいる。茎の真ん中は中空になっていた。茎の外側には毛が一杯生えている。
PICT110721カボチャの茎断面_1
赤インクに茎をしばらく漬けておき、その断面を見た。維管束の部分が赤く染まっている。
PICT110721カボチャの茎断面_2
維管束の部分を拡大すると。。。赤いところからリボン状の紐のようなものがでているのが見えるが、これは切り取られた道管の一部と思われる。
PICT110721カボチャの茎断面

■カボチャの茎のたて断面
茎の長さ方向に沿って薄切り切片を作り、観察してみた。ラセン模様の道管が見える。そのすぐ右の道管は黒く写っているが、これは道管に入った気泡のせいでそのような写りとなった。ラセンのピッチも荒いもの(左側)から細かいもの(右側)までいろいろあるようだ。
PICT110721カボチャの茎導管_1
道管が分断されている箇所を見た。道管の壁面を形成しているラセンの紐が解けている。カボチャの茎は真っ直ぐ伸びるのでなくツルが絡みついてうねうねと曲がって伸びていく。蛇腹ホースが曲がりやすいように、道管も曲がりに強い蛇腹ホース状としているのかなぁ。。。?
PICT110721カボチャの茎導管_3
試料を乾燥させてから両刃かみそりで道管部を斜めに切断し、顕微鏡で覗くと。。。道管というだけあって確かにパイプになっている。
PICT110721カボチャの茎導管_4

■カボチャの葉の裏面
カボチャの葉の裏面を見た。毛が沢山生えている。葉を触ってザラザラするのはこのせいだろう。
PICT110720カボチャの葉の裏面
葉を押し潰して光を通しやすくし、倍率を上げて顕微鏡で覗くと沢山の気孔が見えた。
PICT110720カボチャの気孔


(2)キュウリ ----------------------------------
■キュウリの葉の裏
キュウリの葉の裏もカボチャと同様沢山の毛が生えている。
IMG_110629胡瓜葉の裏
葉を押し潰して裏面から葉脈を見てみた。葉脈が縦横に走っている。ラセン模様が見えるではないか。。。これには少しビックリした。
IMG_110720胡瓜葉脈の導管_1
さらに倍率を上げるとラセン模様がハッキリ見える。この道管と通して根から吸い上げられた水分が葉の隅々にまでいきわたるのか。
IMG_110720胡瓜葉脈の導管_2

■キュウリの葉脈断面
キュウリの葉に赤インクを吸わせ、葉脈の断面を見てみた。葉脈の軸となる部分は殆ど貯水細胞でできているような感じ。キュウリは水を沢山吸うということがうなづけるような。。。その中を道管が走っている。
IMG_110629胡瓜葉脈(赤インク吸う)

■キュウリの茎のたて断面
キュウリの茎のたて断面を見た。やはりカボチャと同様にラセンピッチも荒いものから細かいものまでいろいろな道管が見える。道管が枝別れしているところが見えのはラッキーだった。
PICT110720キュウリ茎の導管_1

[ 2011/07/21 21:04 ] 日常雑感 | TB(0) | CM(0)

ゴマダラカミキリ

朝、バラの木に水をやったら何かゴソゴソと急いで上にかけあがるのがいた。何かなとよく見るとカミキリムシだった。ゴマダラカミキリ(胡麻斑髪切)という正式名をもつ。いきなり水をぶっかけられたので吃驚(びっくり)したのだろう。ゴマダラカミキリは偏食(?)がなく、ミカン類、ヤナギ、クリ、クワ、イチジク、プラタナス、モモなどの生木、樹皮、葉などを食べる。成虫は生木に傷を付けてその中に産卵し、ふ化した幼虫は1~2年間にわたって木質部を食べて成長(卵→幼虫→蛹→成虫という完全変態)、成虫になってからはわずか数ヶ月の命らしい。齧られた木のほうは弱ってくるので、特にミカン農家などでは害虫視されているそうだ。ゴマダラカミキリも生き伸びるのに大変である。
IMG_110715カミキリ虫_4

しばらくジッとしていたが坐(すわ)りのいい場所を求めてゆっくり動き出した。後ろ足までがっしりした甲冑で覆われている。長いガッシリした触覚と全身甲冑に覆われたスタイルが非常に勇壮な感じで、このあたりが昆虫ファンを惹きつけるところかも知れない。
IMG_110715カミキリ虫_1

近くに寄ってカメラを向けると片方の触覚を急にこちらに向けたり左右に動かしたり、、、まわりの変化を嗅ぎ分けているのだろうか? カミキリムシをつかむと「キイッキイッ」という威嚇音をだすことは子供の頃経験したが、今回はそっと観察だけをした。
IMG_110715カミキリ虫_2

堅い木などを齧るので顎が非常に発達している。髪の毛を切断するほど大顎の力が強いことからカミキリムシと名付けられたが、子供の頃マッチの軸を噛ましたことがあった。さすがに噛み切りはしなかったが、噛まれた跡はしっかりと残った。不用意に掴んで噛まれ、痛い経験をされた方も多いだろう。
IMG_110715カミキリ虫_3
[ 2011/07/15 17:12 ] 日常雑感 | TB(0) | CM(0)

蝉の抜け殻

朝、朝刊を取りに玄関に出ると羽根の透明な大きな蝉のようなものが吃驚して飛び立っていった。あれはおそらくクマゼミだろう。いよいよ蝉の季節を迎えたなと思っていると家人が玄関先から『こんなんが木についていたわ』と蝉の抜け殻を持ってきた。やはり飛び立ったものは蝉だったのだろう。しばらくすれば蝉の鳴き声が聞こえてくるだろう、そうすれば本格的な夏の到来だ。
IMG_110712蝉の抜け殻_2

植木に水でもやろうかとホースをとってふと横を見ると、自転車のタイヤに蝉の抜け殻がしがみついている。。。ナ!なんと!!土からずいぶん離れたこんなところに。。。
IMG_110712蝉の抜け殻_1

タイヤの蝉の歩行ルートは水色の線のようなものだろうか。深夜にエッチラオッチラ歩いて自転車のタイヤのところまで来たのだろう。なぜ遠路はるばるそんなところまで来て脱皮をしたのか。。。これは蝉に直接聞かないと分からない。
IMG_110712予想される歩行ルート

蝉の抜け殻ふたつ。なにか囁き合っているようにも見えるが。。。
IMG_110712蝉の抜け殻二匹

「蝉の抜け殻、オス・メス判定法」というのがあって、それによればこの蝉は産卵管の突起がないのでオスらしい。蝉のオスは鳴く。飛び立ったセミの鳴き声はまだ聞こえないが、どこかで元気に鳴いているのだろう。
IMG_110712蝉の抜け殻(♂)

(P.S)
ムーミンパパさんのBlogに「セミの脱皮」の貴重な記録が載っています。

[ 2011/07/12 14:26 ] 日常雑感 | TB(0) | CM(1)

モンシロチョウと鱗粉

今日も猛暑が続く。日中、小用で外に出たところ路面にモンシロチョウの亡骸(なきがら)が落ちていた。早速そっと拾って家に持ち帰り、再度小用を済ませるべく猛暑の中に飛び出す。

Wikipedia によれば
『モンシロチョウのオスは前翅(まえばね)の黒い部分が小さく、全体的に黄色っぽい。メスは前翅の黒い部分が多く、前翅のつけ根が灰色をしている。なお、翅(はね)に紫外線を当てるとメスの翅が白く、オスの翅が黒く見えるため、オスメスの区別がよりはっきりする。紫外線は人間には見えないが、モンシロチョウには見えると考えられていて、モンシロチョウはこの色の違いでオスメスの判別をしているとみられる。』
ということで、このモンシロチョウは模様からしてメスかな。
IMG_110711紋白蝶

触覚を顕微鏡で見てみた。これは触覚の先端部で、空気の流れ、温度、匂いや音を感知する超高感度センサー部。
PICT110711触覚先端

触覚の中央部。なにか節状になっている。
PICT110711触覚中央

触覚をカバーガラスで押し潰してみると。。。触覚の表面に付いていた鱗粉(りんぷん)のようなものが飛び散った。
PICT110711触覚先端押し潰し

飛び散った鱗粉のようなものを拡大すると。。。この鱗状のものは触覚センサーを保護しているのだろうか?
PICT110711触覚鱗片

次に翅(はね)を見た。鱗粉(りんぷん)が畳の目地のように規則正しく並んでいる。
PICT110711モンシロチョウ鱗粉_1

さらに拡大した。 鱗粉は体毛が進化したものといわれる。鱗粉も1個の細胞からできているが鱗粉となった時点で死細胞となる。なので鱗粉がとれるとそれまでで再生はしない。鱗粉を全部取ってしまうと翅(はね)は透明になることは子供の頃経験したが、蝶はそれでもヨタヨタと飛んだような記憶が。。。蝶のヒラヒラとした優雅な飛び方には鱗粉が関係しているのだろうか。
PICT110711モンシロチョウ鱗粉_2

鱗粉の付根の突起状のところはソケットといわれる。鱗粉の柄がそこに差し込まれる。
PICT110711鱗粉の微細構造_1

鱗粉をさらに拡大してみた。。。ナント!これはまるで団扇ではないか!? 蝶の翅に付いている“物凄い数の団扇”が飛行中の空気の流れを微妙にコントロールし、蝶の優雅な飛び方を実現している...? 想像するだけで楽しいが、果たしてそうであれば蝶は驚嘆すべきメカを持っている。
PICT11071鱗粉の微細構造_2

[ 2011/07/11 23:19 ] 日常雑感 | TB(0) | CM(0)

真鯛の鱗と年輪

魚の鱗(うろこ)は大きく分類して櫛鱗(しつりん)と円鱗(えんりん)の2つのタイプに分類されるらしい。もっとも、すべての魚が鱗をもっているわけではなく、ウツボやタチウオ、アンコウ類などは鱗がない。真鯛や鱸(スズキ)、イサキに鯖は櫛鱗(しつりん)を持ち、マイワシ、サケ、アユ、コイなどは円鱗を持っているとのことだ。櫛鱗の中心から放射状に伸びた線(溝条)を横切る同心円状の筋模様、これを鱗紋(りんもん)呼ぶらしいが、鱗紋が魚の年令の推定につかわれるらしい。いわば魚の年輪にあたるものか。 ところで、櫛鱗(しつりん)の「櫛(しつ)」は“クシ”という漢字で、小棘を櫛(くし)の歯とすると櫛鱗というネーミングな成る程と思わせる。
鱗の種類
鱗の年輪

先日の火曜日、若狭釣行会の例会があり、真鯛にカンパチ、シマアジ、メバル等々と各メンバーがそれぞれの釣果を競い合うスリリングな一日を楽しんできた。ムーミンパパさんが『鯛の鱗から年令が分かるそうですね。顕微鏡で見られたら面白いかも知れませんネ』と仰っていたので、早速見てみることに。。。
乾燥した鯛の鱗は反ってしまうので、上からカバーガラスで押さえつけ動かないようにセロテープで固定した。真鯛の鱗の形状は確かに櫛鱗(しつりん)の格好をしている。
IMG_110707鯛の鱗試料

3脚に固定したデジカメで顕微鏡写真を撮る。
PICT110707写真撮影

櫛鱗の櫛(くし)の歯に当たる所と中心から放射状に伸びる溝条が見える。
PICT110707鯛の鱗_1

さらに拡大してみた。。。
PICT110707鯛の鱗_2

まるで鎧(よろい)の模様のようである。
PICT110707鯛の鱗_5

溝条の筋が緻密に走っている。この筋は年輪ではない。ところで、なぜこのような多数の筋があるのかということについては・・・「溝条の部分には骨質層がなく、鱗は溝条に沿って曲がりやすくなっています」とのことだ。つまり、溝条がなければ体を左右にスムーズに振って泳げないということだろうか? 鱗に一片一片にこのような秘密が隠されていたとは。。。
PICT110707鯛の鱗_3

ところで肝心の年輪だが、今回は残念ながらこれが年輪だと明確に特定はできなかった。またの機会に再度挑戦してみよう。
PICT110707鯛の鱗_4
[ 2011/07/08 09:10 ] 日常雑感 | TB(0) | CM(0)

水筒をもつ植物

近畿の梅雨明けはいつかな? 暑い日々が続いている。梅雨が明ければ本格的な夏か。。。猛暑で体温が上がれば熱中症になる危険がある。水分補給には気をつけないと。ところで炎天下、日陰に身を寄せるわけには行かない植物はどうしているのだろうか? 
植物は気孔を開いてCO2を取り込み光のエネルギーと水でブドウ糖やデンプン等の栄養源を作る(いわゆる光合成)が、また、気孔から水分を蒸散させた気化熱で体温上昇を防いでいるとのことだ。しかし、暑いからといって気孔を開きすぎているとどんどん体内の水分も蒸散していくので、こんどは光合成に必要な水が欠乏してくる! 大抵の植物はその辺のバランスをうまくとっていると思うが、熱帯・乾燥地帯に育つ植物は光合成しようと迂闊(うかつ)に気孔を開けっ放しにしたりすると干からびて枯れてしまうという生命の危険に晒される。。。!? 
図1

●カポック(シェフレラ)-----
数年前、真冬の雪害で瀕死の状態となった我が家のカポック(シェフレラ)はその後元気を取り戻し、勢いよく葉を伸ばしている。たくましい観葉植物だ。その葉を一枚切り取り、顕微鏡で断面を観察してみた。それを見た最初の感想は『なんだ、この透明層は! クチクラ層ともちょっと違う感じ...』というものだった。そこでモノの本(井上勤監修「植物の顕微鏡観察」)で調べてみると、この透明層は“貯水組織”と呼ばれるものと分かった。水分を蓄える組織で、乾燥地に生える多肉植物によく発達しているとのことだ。
IMG_110701シェフレラ(カポック)葉の断面
なるほど炎天下でも水分補給ができる“水筒”を持っているわけかと納得。これで日照り・乾燥が続いても大丈夫なわけだ。柵状組織の葉緑体と水筒(貯水組織)の水、吸い込んだCO2でどんどん光合成を行い栄養源を作り出す。。。ところで冬場、この水筒は凍ってしまわないか?と新たな疑問が起こる。いろんなミネラルが溶けているので0℃で凍ることはない(凝固点降下)と思うが、そのあたりの防御策はどうなっているのだろう。冬場に観察してみよう。。。
IMG_110701シェフレラ(カポック)葉の断面(注釈入り)
ついでに赤インクを吸わせたカポックの葉脈(主脈)の断面を見た。
IMG_110701シェフレラ(カポック)葉脈

●金のなる木-----
多肉植物には貯水組織がよく発達しているということなので金のなる木の葉の断面を覗いてみた。こちらはカポックと異なり、ハッキリした柵状組織は見当たらない。その代わり葉緑体が全体に散らばっているという感じ。わずかに貯水組織と思われるものが見える、というか全体が貯水組織となっているのだろうか?
面白いことに金のなる木は普通の植物とは違い、昼間光合成をしないらしい。暑い昼間は水が蒸散するのを嫌い気孔を閉じている。涼しい夜間になるとやおら気孔を開きCO2を取り込む。夜間は日の光がないので光合成ができず、取り込んだCO2は別の“モノ”に変えて液胞に貯めておく。日差しの強い昼間になって貯めておいた“モノ”から再びCO2を取り出し、光のエネルギーと水で栄養源を作りだすとのことだ。なんとも巧妙な仕組みをもっている。このような植物はCAM(Crassulacean Acid Metabolism)植物と呼ばれている。
PICT1107032金のなる木断面_1
貯水組織層と思(おぼ)しき部分を拡大してみた。葉緑体が散らばって存在しているのが分かる。さらに気孔の断面らしきものが観察された。
PICT1107032金のなる木気孔_1
さらに拡大すると、対になった孔辺細胞と葉緑体が見える。気孔の穴は土埃だろうか、黒いものが詰まっている。
PICT1107032金のなる木気孔_2

●アロエ-----
最後にアロエを見た。アロエは水筒どころではなく葉の中央部が巨大な水瓶(みずがめ)となっている。この水瓶は肉眼でもよく見える。赤い部分は赤インクを吸わせた維管束。
PICT110702アロエ貯水組織_2
ちなみに暗視野にしてみると水瓶(貯水組織)の姿が浮かび上がってくる。アロエも金のなる木と同じく昼間光合成をしないCAM植物に属している。
PICT110702アロエ貯水組織_1
[ 2011/07/03 20:14 ] 日常雑感 | TB(0) | CM(0)
プロフィール

KENZOU

Author:KENZOU
こんにちは,KENZOUです。日常の思いついたことやいろいろなことを写真と共に綴っていこうと思います。また、理系に興味のある方は「楽しい物理ノート」を公開していますので、そちらの方も覗いてみてください。

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